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おいしい野菜の理由(わけ)~長野編~

2013.8.14

 今年の夏のデリ「カラフルトマトのサラダ」や、プレートメニュー「夏のスープ」で使わせていただいているチェリートマトや モロッコいんげん、いんげん、ズッキーニを作っていただいている石川農園さんとのらくら農場さんを訪ねて長野県佐久へ 行って来ました。

石川農園

 佐久平駅から車で30分ほどの佐久市内で有機農業をされている「やさいの森」石川さんの ところでは、いんげんとモロッコいんげん、ズッキーニの畑を見せていただきました。伺ったのは10時過ぎでしたが、 早朝に収穫した野菜の出荷作業の真っ最中。ぷっくりと肉厚のいんげんとモロッコいんげん。市場物は 小さめが好まれるので、あまり大きくしないまま出荷されることが多いのですが、石川さんのところのいんげんは 少し大きめにしてから収穫されるため、歯ごたえがありしっかりした味わいです。

 降り立った途端さわやかな風に吹かれる佐久平駅付近は標高600メートルほどですが、石川 農園のある場所は標高約1000メートルに位置します。高冷地で昼夜の温度差があり日照時間が長いため、糖度の高い野菜 に仕上がります。また、石川さんのところでは農薬は一切使わず、有機肥料とミネラル資材(天然の鉱物や牡蠣ガラ)を 使ってじっくり根を張らせて育てることを念頭に置いて管理されているとのこと。肥料はチッソとミネラルのバランスが 大事で、このバランスが良いと虫や病気にも強くなるのだそうです。

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 いんげんとモロッコいんげんの畑を見せていただいたあとは、ズッキーニの畑を見せていただきました。
ズッキーニは花が咲き受粉したあと4日ほどで収穫できます。あっという間に大きくなるので、受粉後2日ほどで
ボールペンの長さくらいの大きさになり、天気が良いとその翌日の夕方には収穫できるようになるということです。収穫はじめの6月頃は人の手によって受粉させますが、その後はハチが受粉します。見ているときもハチが花の中に入ったり出たりしていました。

のらくら農場

 石川農園の次に、佐久穂町の「のらくら農場」萩原さんを訪ねました。今回チェリートマトを作ってくださっているのですが、 萩原さんのところだけではまかなえなかったので、お仲間の「池田農場」池田さんにもご協力いただいています。

 東京の遠藤農園さんのところへ行ったときも、「土」の話=化学でしたが、萩原さんも同じで、つくづく農業=化学なんだと思いま した。まず「土」の分析をきちんとして(分析器やパソコンも使います)、カルシウムやマグネシウムの含有率、酸度をはかり その後、土に足りない栄養を足していきます。苗を植えてからも、それぞれの木や葉の状態を見て不足している栄養を足して いくのだそうです。これを「成育判断」と仰っていましたが、人間でいうとお医者さんの問診のようなもの。毎日、様子を見て 元気かどうか確認しています。さらに、その年が良ければそれで良いのではなく、「土」は次の年のことまで考えてミネラル分 を調整されています。

 土の話をわかりやすく説明していただきながらチェリートマトの畑へ。よく見ると赤・黄・オレンジとそれぞれに特長があります。

 赤はきれいに二列でずらっと並んでいましたが、黄色のチェリートマトは、わっさ~と並ばずに実がついていました。黄色のトマトは赤に比べると小玉のものができやすいそうです。オレンジは赤のようにお行儀よく並んではいますが、実はあまり多くつきません。

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↑写真は、お行儀良くきれいに並んでいる赤(左)と、ランダムにたくさん実がついている黄色(右) 

 短い時間に、たくさんのことをお話ししてくださった萩原さん。ご自身は有機栽培をされていますが、 「農薬がだめだとは思わない。農薬を使う最大のデメリットは、自分の失敗に気づけないこと。」と いう言葉が印象に
残りました。失敗を重ね、失敗を分析して、さらに土も分析して、それらの結果を他の農家さんとの 共通の言語にしているのが「化学」。農家さんそれぞれのやり方を、それぞれの伝え方で伝えていくよりも、共通の 言葉があればよりたくさんの人たちと情報を共有できると仰っていました。

 長野では冬に作業ができないので、石川さんも萩原さんも冬の間は、夏の作業 の合間に日々わきおこる疑問点の答えを出す時間にしているとのことでした。(夏 の間にその疑問に対する考えも有る程度検討をつけて、全て書き留めている そう。)天候や気温によっても出来具合が左右される農作物。毎日違う条件でも同じように (さらに)美味しい野菜を作るため、小さなことも見過ごしません。

 石川さん、萩原さんはじめ、みなさん爽やかで素敵な方たちでした。特に佐久は新規就農者に対する門戸が
開けているそうで、石川さんも萩原さんも長野県外から就農されています。代々受け継いだ農家さんではなく、 有機農業を商売として成り立たせるために、経営についてもしっかり考えていらっしゃるのがとても印象的でした。彼らの人柄が、そのまま野菜に出ていると感じました。

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左から「いそベジ農園」礒辺さん、「池田農場」池田さん、「のらくら農場」萩原さん、「だいじの農作地」進藤さん

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