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タイ ドイトゥンコーヒー~収穫してからコーヒー豆ができるまで~

2015.3.31

収穫後の作業

収穫体験をした後、農家さんたちの共同作業場へ果実の選別の様子を見にいきました。私たちが収穫したときと同じように、ここでも果実を水の中に入れて浮いてきた豆や落ち葉、ごみを取り除いた後、シートの上に果実を広げて選別します。この作業場に持ち込まれた果実は一般的に販売される豆として仕上がるものなので、完熟のものだけではなく黄色いものや過熟のものが混入している割合が相当多いのが印象的でした。やはり生産者の方にとっては重さ=収入になるので、完熟のものだけを収穫しなければならないと理解するためには、実際にできあがったものを口にしたことがないと難しいことなのだとわかります。

選別した果実は、農家さんごとに袋にわけて集められ、計量場で再度豆の状態を確認して計量、その日のうちに皮をむいて種を取り出します。コーヒーの果実は実の部分がほとんどなく、皮をむくとぬるっとした粘質(ミューシレージ)をまとった種が出てきます。その種を一晩水につけて発酵させ、ミューシレージをとりのぞきます。翌日ミューシレージを洗い流したら、次の乾燥工程へと移ります。収穫した日のうちにここまでの作業を行わなければならないため、計量場に果実が到着するのは日が落ちたあと。周囲が真っ暗な中、作業が進みます。

乾燥

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前日の晩にミューシレージを取り除いたパーチメントコーヒー(薄い殻がついた種)を、翌朝乾燥場へと移し、天日で乾燥させます。万遍なく乾燥させなければならないので、日陰がないところで一日中グランド整備用のトンボのような大きさの鍬状の道具を持って行ったり来たりしながら豆を上下にひっくり返す作業をします。このようにミューシレージを取り除いてから乾燥させる方法は「水洗式」といわれています。

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左:水洗式(パーチメントコーヒー) 右:ナチュラル(非水洗式)

水洗式とは違い果実ごと乾燥させる方法(「ナチュラル(非水洗式)」)もあり、乾燥に時間はかかりますが、果実の甘みが独特の風味となります。

天日だけでは完全に乾燥させることができないので、ある程度乾燥したら工場にある乾燥機を使い熱風で仕上げの乾燥を行ってから、種についているパーチメント(薄い殻)を取り除く「脱殻(だっかく)」工程を経て、石や異物を取り除く作業、重さや大きさで生豆(なままめ)を選別する作業へと移ります。

試飲(カッピング)

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比重選別機にかけた生豆  左:粒の大きさの揃ったもの 右:小粒で不揃いのもの

脱殻工程後に行われる風力や比重で選別する作業、またハンドピック(人の目で一粒ずつ豆を確認して選別していく作業)が味にどう影響するのかという比較体験のため、4種類の生豆を用意していただきそれぞれを焙煎して試飲しました。

①パーチメントをとっただけのもの ②パーチメントをとり、風力選別で軽いものは取り除いたもの ③比重選別したもの ④比重選別したものをハンドピックしたもの

試飲するとそれぞれの味の違いがよくわかり、特に①と④を比較すると各段に味が違いました。パーチメントをとっただけのものは土くささの残るかなり雑な味。ハンドピックしたものはこれまでにそれぞれの過程で選別されているとは言え、小さな虫食いや変色した豆がどうしても混ざってしまうのでそれらも取り除いたことでクリアな味に。試飲することで各工程の必要性を感じました。

Cafe&Meal MUJI全店で切り替わった新しいコーヒー。セットドリンクでもご用意しているので、お食事やデザートと一緒にお楽しみください。

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