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四万十の味「ぶしゅかん」

2015.9.30

 9月のデリメニュー「かつおの冷製ぶしゅかんと野菜のソース」に使われている「ぶしゅかん」。
「仏手柑(ぶっしゅかん)」と言われている人の手のような形をした黄色い柑橘とは違い、こちらは
酢橘(すだち)に似た酢みかんの一種で青い柑橘です。高知県四万十地域を中心に、
高知県西部では馴染み深い柑橘だそうで、酸味、青みがある爽やかな香りだけでなく、
生牡蠣を食べたあとのような風味を感じるのが特長的です。

 その味のインパクトにほれ込みメニューを開発したシェフが、高知県四万十市の産地を訪問しました。


古くから四万十地域で栽培されていた「ぶしゅかん」は生命力がとても強く、100年近く実がなり続けます。また害虫や病気にも強く、農薬を一切使用しなくても良いそうです。
高知県は日本一の柚子の産地のため、柚子を栽培されている農家さんも多いのですが、「ぶしゅかん」には柚子と違い枝にトゲがありません。柚子の木のトゲは硬くてするどく、踏むと靴底に穴があくほど。そのため収穫時にも注意が必要ですが、「ぶしゅかん」にはトゲがないので収穫時も安心です。高齢の農家さんも作業がしやすいとのことで、耕作放棄地に「ぶしゅかん」の木を植えて農地を生き返らせ、四万十地域の食文化を県外の方にも知ってほしいと栽培に力を入れていらっしゃいます。

 
 

 地元では「メジカ」(ソウダカツオの仲間)の新子(生まれて一年以内の若魚)にそのまま絞ったり、皮
ごと刻んで薬味にしたり・・・とあらゆる料理に、この「ぶしゅかん」を使います。他の柑橘と違い、この「ぶしゅかん」の皮にはえぐみがないので、皮ごと食べてもとてもさわやか!

 このさわやかさを生かしたいと、「ぶしゅかん」果汁をたっぷり、果肉も使い、相性の良いかつおとあわせました。「ぶしゅかん」の香りと酸味が食欲をそそる一品です。

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