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おいしいコーヒーのいれ方

2016.1.29

 Café&Meal MUJIでは2015年の春に全店のコーヒーを新しいブレンドに切り替えました。その後、一部店舗ではブロッサムコーヒーブルワーを使ったシングルオリジンコーヒーの提供をしていますが、コーヒーのおいしさを知るにつれ、本来「コーヒーは果実」であるということを一人でも多くのお客様に伝えたい、そのためにはお店のスタッフにも、もっとコーヒーのことを知ってほしいと社内講習会を開催しました。

 まずコーヒーハンター川島さん(株式会社ミカフェート代表取締役)にコーヒーの歴史から、現在のコーヒー事情にいたるまでを教えていただきました。コーヒー文化のほか、川島さんご自身が農園を探すポイントや産地の違い、コーヒーの品質を決めるポイント等、これまで聞いたことがなかった話が沢山ありました。

 川島さんのお話が終わったあとは「カッピング」や「ハンドドリップ」を体験、練習しました。「カッピング」は挽いたコーヒー豆に直接お湯を注ぎ、香りや味覚、品質を確認する作業です。プロの方は空気も一緒に吸い込むため、キレのある音をたてて口の中へ霧状に噴霧して試飲されますが、慣れていない私たちは音をたてようと一所懸命になり、「ずずっ」とおかしな音をたてて、ただスプーンにいれたコーヒーを飲みこむという状態に・・・。その一口を飲んだときに感じた味わいを言葉にして他の人に伝えます。本来の品質鑑定のためのカッピングでは、決まった表現方法がありますが、この講習ではお客様にわかりやすく伝えることを目的としました。味覚は人によってそれぞれ。そのため意外な表現方法が出てきたり、繊細な表現があったり。お菓子にたとえて味を表現したスタッフもいました。

 「ハンドドリップ」ではお手本を見せていただいたあとに各自が実践。粉の粗さやお湯の温度を確認し、時間をはかりながらドリップします。一斉に落とし、それぞれが落したコーヒーの味を確認します。同じように落としているようでも、微妙な時間の差や注ぐお湯の量により少しずつ味が違います。

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 二回目の講習では、お店でワークショップが開けるようグループごとに台本を作り、担当を決めてみんなの前で発表しました。コーヒーはハンドドリップやサイフォン等いろんな落とし方がありますが、簡単に言うと豆をお湯に浸して出すものなので、元々豆が持っている味がそのまま出てしまいます。「素材の品質が大事」ということを一番のポイントに置き、コーヒーに詳しくない方にもわかりやすいよう、話し方や伝えたいことの確認をしました。

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 そうして準備をし、初めてお店で開催したワークショップ第一回目はCafé MUJI二子玉川店長の佐藤さんが講師を務めました。開催する数日前にはリハーサル、当日も直前まで練習して迎えた本番。実際にお客様を目の前にし、一緒に欠点豆を探したり、封を開けてすぐのコーヒーの香りを楽しんだり、参加者の方がいれたハンドドリップのコーヒーをお互いに試飲したりと、始まるとあっという間に一時間が終わりました。

いれかたの基本(ハンドドリップ編)

 豆は必ずはかりで計量し、中粗挽きにしてドリッパーにセットしたフィルターにいれ表面を平らにしておきます。(豆の密度によって重量がかわるので、メジャースプーンではなく計量することをおすすめします。また挽いたときに細かい茶こしを使って粉をふるっておくと微粉がとれ、よりクリアな味になります。)お湯の温度は高すぎると苦味が強くなるため、沸騰したお湯をサーバー(落としたコーヒーをいれる容器)に入れて少し冷まし、ポットに戻して87~89℃くらいに調整します。豆が湿るくらいにお湯を注ぎ、30秒ほど蒸らします。新鮮な豆だと炭酸ガスが発生し、豆がふくらんでチョコレートマフィンのようになります。ガスが出たら、ふくらんだ豆の真ん中へ500円玉くらいの円を描きながら少しずつお湯を注ぎます。理想は、注ぐお湯の量と下に落ちるお湯の量が同じくらいのスピードです。少しずつゆっくり注ぐと濃く、一気にお湯を注ぐとお湯の落ちるスピードが速く豆とお湯の接触が短いため軽い味になります。また注ぐにつれ落ちるコーヒーは薄くなっていくので、出来上がりの分量が落せたらドリッパーにお湯が残っていても外してしまいます。

日々の暮らしの中でコーヒーを楽しむ

 Café MUJI二子玉川の第二回目のワークショップは2月に、またCafé MUJIアトレヴィ巣鴨でも開催予定です。ワインを産地や品種、収穫年度で選び、味の違いを楽しむのと同じように、コーヒーも味や産地、栽培の違いを楽しみながらゆっくり飲む時間を大切にしたい。いつもより時間がとれる休日に少し時間をかけてコーヒーを楽しむ、ワークショップがそのきっかけのひとつになればと考えています。

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