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オリジナルブレンドティー

2017.10.30

 紅茶のタンニンには口内の油分や糖質をリセットする働きがあります。ケーキやパフェと一緒に紅茶を飲むことで、乳製品や砂糖で重たくなりがちな口の中をすっきりさせ、次の一口へとつなげる役割を持っています。いつものスイーツをさらに美味しく感じさせる紅茶の存在は、派手ではないのであまり目立たないかもしれませんが、とても重要な役割を担っているのです。

 Café&Meal MUJIの紅茶は、これまでスリランカのセイロンティーをベースに沖縄産の茶葉をブレンドしたものでしたが、新たにそこにスリランカのウヴァを足し、さらに美味しくなりました。世界三大銘茶のひとつである「ウヴァ」は、メンソールにも似た爽やかな香りが特長です。紅茶は「色」「香り」「味」により、その魅力を目と鼻と口に伝えます。3種類の個性の違う茶葉をブレンドすることで色はより美しく、深みのある味と柔らかく甘い香りが口の中での滞留時間を長くし、印象に残る紅茶に仕上がりました。

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 このオリジナルブレンドティーに使っているセイロンティーを作っている茶園のひとつ、スリランカの丘陵地帯の中心地であるキャンディ(Kandy)から車で約45分のところにある製茶工場を訪ねました。(45分のうち、幹線道路を曲がったところからは舗装されていない山道だったので、ほぼ30分はガタガタ道でした。)キャンディは標高300mほどの街ですが、この茶園があるところは標高700mほどのところ。山道は辛うじて道路を作ったような場所で、大雨の影響で橋が流されて工事中の場所があったり、車が落ちそうになっている絵が標識になっていたりしましたが、そんな急斜面に茶畑がひろがっています。

 工場に着いたのは午後遅い時間でしたが、午後に積まれた茶葉が運びこまれ萎凋の途中でした。萎凋(いちょう)とは、摘み取った生葉の水分を調整し、葉を枯らすのではなく揉んでも葉がこわれないようしおれさせる工程のことを言います。それぞれの萎凋槽には「中間の畑で午後摘まれたもの」「高いところの畑で午後摘まれたもの」というように、どこの畑でいつ摘まれたものかがわかるようになっています。

 上の階で萎凋された茶葉は、シューターを伝って揉捻機へ。揉捻(じゅうねん)とは、茶葉をねじって細胞組織を破壊し、酸化酵素を含んだ成分を外部にしぼりだし、空気にふれさせることで酸化発酵を促す作業です。この酸化発酵が紅茶の香りや味、コク、水色(すいしょく)のベースをつくります。(緑茶には揉捻の工程はありません。)

 揉捻されたあとの茶葉は、玉解き・ふるい分けといった工程で塊になっていた茶葉をほどいて酸化発酵を促進し、粗いメッシュにかけてふるい分けを行います。その後乾燥工程を経て、メッシュ別、またカラーセパレーターにかけて等級別に袋詰めされ、コロンボのオークション会場へと運ばれます。

 この工場内で使っている機械はすべて、薪やおがくずを燃やし、蒸気の力を利用した昔ながらの方法で動かしていました。この工場に入った瞬間に、以前試飲したことがあるこの茶園の紅茶の香りがしましたが、それはこの木材を燃やす匂いでした。このような方法で工場を動かしているところは残っておらず、地元消費分の生産量くらいしかない小さい茶園だからこそ。ミルクティーにするとあとからキャラメルのような香りが残るのが、この茶園の特長です。

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 食事にもデザートにも合う紅茶ですが、特にケーキやプリンと一緒に合わせていただくのがおすすめです。紅茶そのものをお楽しみいただきたいときは、ストレートだけでなくぜひミルクティーもお試しください。(ミルクはご注文の際にスタッフへお申し付けください。)Café&Meal MUJI各店では11月から順次新しいオリジナルブレンドティーに切り替え予定です。

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